大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)602号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

憲法第二十五条第二十八条がすべての国民は健康で文化的な最底限度の生活を営む権利、勤労の権利と義務を規定しまた勤労者の団結権、団体交渉その他の団体行動権を保障していることは勿論であるが同時に国民はこれを濫用してはならないのであつて常に公共の福祉のためにこれを利用する責任のあることは同第一二条の明言しているとおりであつて団結権、団体交渉権、団体行動権と雖も無条件に勤労者の権利として正当化されるものではなく、労働関係諸法規の精神並びに社会通念上自ら一定の限界の存することは当然であつてこの権利を逸脱した行為は権利の濫用となり刑罰法規の対象となること明らかである。

そして本件についてこれをみるのに原判決五反田公共職業安定所長本庄竹雄同分室労働課長岡田勝造の如きは単に上司の指揮命令により登録日傭労務者の就労を輪番制によつて斡施するにとどまり就労不能の場合の対策の如きは固よりその権限外の事に属するのに被告人等は強いてこれを要求し一挙に被告人等の要求を貫徹しようとして前記本庄、岡田等に対し原判示の如き暴行を加えたものであつて被告人の所為は労働組合法第一条第二項本文にいう正当な団体交渉ということを得ないのみならず、まさに同項但書にいう暴力の行使に該当するものであること明らかであるから原審が被告人の原判示の所為に対し刑法第三五条を適用することなく刑法二〇八条を適用処断していることはなんら法律の適用を誤つたものではない。

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